家元の寵愛≪壱≫



「………ゆの」


カーテンで区切られた1段高い場所から下り立つと、

目の前には黒のタキシード姿の隼斗さんが。


「ッ!!///////」


カッコイイ!!

カッコ良すぎる!!!

あまりに似合いすぎて眩暈がしそうだよ。


黒いジャケットにグレーのスラックス、

白とシルバーの二枚仕立てのベストを着こなし、

髪型も和装仕様でなく、アレンジされている。


ゆっくりと私の元へ歩み寄る彼。

長い脚で優雅に歩く様は本当に絵に描いたような王子様。


真横に立った彼は優しく私の手を取って、

極上の笑みを浮かべている。


「驚かせて、ごめんな?」


はにかむ彼を見上げて、込み上げて来る感情。

言葉に出来ない程の幸福感。


「この1年仕事を最優先にして、ゆのの気持ちを考えてやる余裕が正直無かった」

「……そんな事………」

「籍を入れただけで、何もしてやれなかった………ごめん」

「ッ!!…………別に私は………」

「記念の写真すら撮ってなかっただろ?」

「え?…………あっ!!」

「だから、今日はこれから……2人の写真を撮ろうな?」

「…………はい」



私達は結婚2年目にして、結婚写真を撮る事に。