家元の寵愛≪壱≫



――――――私の予想通り、目の前に1着のドレスが。


「あの……えっと………」

「大丈夫ですよ。きっとお似合いになりますから」

「でも……」


ドレスが用意されているとは言え、

ハイハイとすんなり着るなんて出来ないよ。


嬉しくて嬉しくて胸は高鳴るけど、

それでも、やっぱり、躊躇ってしまう自分がいる。


そんな私に業を煮やして、


「本来ならば秘密なのですが……」

「?」


月島さんは私の耳元でそっと呟いた。


「このお衣裳はご新郎様のデザインですよ」

「えっ?!」

「秘密ですからね?」



ウフフッと肩を竦めた彼女は私の足元に籐籠を置いた。


「では、少ししたらまた参ります」


柔らかい笑みを浮かべ、カーテンの向こうへ姿を消した。



―――――このドレスを隼斗さんが?!


一瞬で視界を釘付けにするそれに

私の心臓がドクンと脈を打つ。


………いつの間に?




放心状態になりながらも、

月島さんの介助もあり、何とか無事に着替えを終えた。



すると、