「隼斗さん、ここって……?」
「ん?」
含みのある笑みを浮かべ、私の手を引く彼。
何だかとても楽しそう。
お洒落なレストランかと思ったけど、そうじゃないみたい。
黒いスーツを着た男女が数名、
行き来しながら笑顔で挨拶を掛けて来る。
さゆりさんと訪れたサロンに雰囲気は似てるけど、
独特の香りが違う気がする。
レストランでもサロンでも無い。
だとすると、何なの??
辺りをキョロキョロしていると、
「こんにちは、初めまして。私、当館の責任者をしております、諸岡と申します」
突然、目の前にスラリとした女性が現れた。
私はその人を目にして、一瞬で凍りついた。
―――――――ッ!! この人?!
諸岡さんという責任者の女性は
長い髪をキッチリと纏め上げ、
決して派手すぎない化粧を施し、
上品な笑みを浮かべ、会釈した。
「…………初めまして」
口ではそう言ったものの、初めて会った気がしない。
だって、彼女は……隼斗さんの車に乗り込んだ人だ!!



