家元の寵愛≪壱≫



「おいで」


たった一言、口にした。

――――――――――――両手を広げて


そんな俺に眩い程の笑顔を放ち、


「隼斗さんッ!!」


俺の胸に飛び込んで来た。


久しぶりに抱きしめる感触に、

言葉に言い表せない程の幸福感を感じた。



あまりにギュッと抱きつくものだから、


「誘ってんのか?」


つい、少しばかり意地悪く呟くと


「はい、只今……誘惑中です////」

「フッ」


そんな答えが返って来た。


俺の腕の中に納まる愛姫に俺は瞬殺でヤられたな。

ホントにもう、どうしてくれよう。


俺は破顔しながら、彼女の顎を持ち上げて


「挨拶がまだだぞ?」

「ふぇっ?」


焦らすように言葉を紡ぐと、


「ッ?!!////////」


ゆのは頬を紅潮させ、ゆっくりと瞳を閉じ、

そして、目一杯背伸びをした。


俺はそれを彼女からの合図と受取って、

―――――――彼女の唇にキスをした。