「私は……傍に居たいです」
「………」
「隼斗さんの邪魔はしません!!ただ、傍に居るだけでも………ダメですか?」
「ッ!!」
ゆのは今までで1番辛そうな表情をしている。
そうさせているのは俺だ。
俺も本当に辛くてこれ以上見てられない。
俺は意を決して口を開いた。
「迎えに行く」
「へ?」
「今は傍に置いておけない」
「………」
「……迎えに行くから、待っててくれないか?」
「………その言葉、信じていいんですよね?」
ゆのはほんの少しだけ安堵したような表情に。
そんな彼女に俺は無言で頷いた。
今はこれ以上、何も話してやれない。
弁解すればするほど自分の首を絞めかねない。
それを察してか、
「………解りました。隼斗さんが迎えに来てくれると信じて、待ってます」
「……………ごめん」
やっとの思いで口にしたに違いない。
辛く苦しいのに無理して微笑むゆの。
そんな彼女を目にして、心の奥がギュッと重く痛んだ。
全身で彼女を包み込むように
俺はこれ以上無いほどに優しく抱きしめた。



