「本当は2人きりでお祝いするつもりだったんだけど、ゆのの体調が悪いから、また今度にしような」
「2人きりで……お祝い?」
「あぁ。ゆのを連れて行きたい所があったんだけど…」
「………ごめんなさい」
「いいよ、謝らなくても。風邪はどうにもなんねぇし」
私ってなんてバカなんだろう。
せっかく、彼が色々考えてくれていたのに。
私なんて、プレゼントすら用意してないもの。
はぁぁ……。
ホントに『妻』失格だ。
「ごめんなさい」
「ん、いいよ」
「ホントにごめんなさい」
「ん、だからもういいって」
謝っても謝り足りない。
どう足掻いても日付を巻き戻す事なんて出来ないし。
――――後悔の念に駆られた。
すると、
「ゆのにプレゼントを用意したんだけど、ここじゃ渡せないんだ」
「えっ?」
「さっき言った、連れて行きたいって場所に用意してあるから」
「ッ!?」
「ごめんな」
「……いえ。私なんて、すっかり忘れていたくらいですから」
「ん、ゆのらしくないよな。最近、何かあったのか?」
「へ?」



