彼のいなくなった寝室は氷の世界みたいに
暖房がついていても布団を被っていても
身体の芯から寒くて震えが込み上げて来た。
私が風邪を引いて熱があるから?
まだま肌寒い季節だから?
ううん、そんな事解りきってる。
彼が私より他の誰かの元へ行ってしまったから。
何とも言えない虚無感は
私を孤独な世界へと誘い込んでいた。
そんな現実から逃避するように深い深い眠りへと。
再び目を覚ました私は、
気力を奮い立たせて浴室へと。
鏡に映る自分の姿に溜息が零れ出す。
こんなみすぼらしい姿を晒してただなんて。
血色が悪く、髪は乱れ放題。
挙句の果てには唇はガサガサだし、
肌にも吹き出物のようなものまで出ている始末。
これじゃあ、飽きられてしまってもおかしくない。
幾ら性別は女であっても、これでは見るに堪えない筈。
私は隼斗さんに着せて貰った服を脱ぎ捨て、
シャワーを浴びる事にした。
シャワーを浴び終えた私は、
肌の手入れをして、髪を整え、
血色がよく見えるようにほんのりとグロスを塗った。



