家元の寵愛≪壱≫



お義母様が作ってくれたお粥を戴き、

久しぶりに2人だけの世界を満喫していた。


とは言え、私は風邪で寝込んでいる。

一時熱は下がったものの、

昼過ぎになったら再び上がり始めていた。



普段ならここまで甘えれないと思う。

例え、彼が旦那様だと解っていても……。



「ゆの、少しの間だけ向こうをちょっと向いててくれ」

「………はい/////」


ベッドに横たわる状態で

彼の手によって身体を清拭して貰っている。

熱のせいという事で、

こんなにも素直に彼に裸を曝け出して……。



―――――――今だけはどんな理由であっても繋ぎ止めたい


私はいつからこんなにも欲深くて

意地汚い女に成り下がったのだろう。


恋をすると周りが見えなくなるというが、

深く愛し過ぎてしまうと

周りが見えなくなるどころでは済まされない。


どんな事をしてでも

手にした倖せを失いたくないと思ってしまうのだから。



恋の魔法が解ける事があっても、

愛の魔法はきっと解ける事は無い。

………そう思いたくて、切に彼を見つめていた。



すると、