「……のッ!!………おい、ゆのっ!!」
大好きな人の声がする。
ふわりふわりと身体が揺れて、
温かい何かが頬に触れた。
……何だろう?
逢いたくて逢いたくて、
心から逢いたいと願ったから
夢の中で逢えているのだろうか?
ゆらゆらと身体は揺れているのに
動かそうとしても動けない。
やっぱり、これは夢だから?
思い通りには動けないの??
朦朧としながらも
頬をつたう感触だけは心地良いと感じて。
誘われるままに眠りについた。
どれ程の時間がたったのかさえ、解らない。
雪見窓からは眩しいほどの光が差し込み
室内の天井がハッキリと見えるという事は
恐らく、陽が明けたのだろう。
起き上がろうとも身体が鉛のように重くて
関節という関節が悲鳴を上げている。
頭もズキズキ痛むし、
喉もかなりいがらっぽい。
もしかして、私………風邪を引いたの?



