お義父様は夕方になれば帰宅する。
お義母様と共に一緒に夕食を取るのだから、
稽古相手はお義父様では無い。
じゃあ、お弟子さん?
幾らなんでもあり得ない。
それじゃあ、1人で稽古してるの?
もう、何が何だか分からないよ。
この数日の間に私は1人考えていた。
彼が『浮気』をしていたとして、
きっと、それには理由がある。
私に女としての魅力が足りないのか。
それとも、私より魅力的な女性に気が向いてしまっているのか。
それとも、マンネリに嫌気がさして、
ちょっとだけ遊んでいるだけなのか。
それとも……―――………
私が妻として、至らな過ぎて飽きられてしまい
距離を置きたくて帰り辛いのか……。
仕事が理由でないなら、
それ相当の覚悟を決めなくては!!
朝から晩まで考えてはみたけど、
私の出せる答えは1つ。
『彼を待つ』………ただそれだけ。
だけど、じっとして待ってはいられない。
どんな状況なのか、それくらい知る権利はあるよね?
私は心に決めていた。



