お風呂から出た私は一通りの事を済ませ、
ベッドサイドに腰を下ろした。
時計に視線を向けると、23時20分。
未だに隼斗さんは帰って来ていない。
仕事でトラブルでもあったのかしら?
いつもなら疾うに帰宅している時間なのに。
電話でもしてみる?
いや、ダメ。
仕事の邪魔をしちゃう。
じゃあ、メールだけでも……。
それも、ダメ。
仕事が終われば帰って来るだろうし、
もし、誰かと飲みに行ってたりでもしたら
きっと、場の雰囲気を壊してしまうに違いない。
それに、重い女だと思われちゃうよ。
恋人ならともかく、私は妻なんだから
ドンッと構えて待ってないとね。
いつ帰って来てもいい様に
玄関と廊下の明かりを灯しておき、
室内を暖かくして休む事にした。
元々寝つきの良い私。
バイト漬けの生活をしていた頃は平均睡眠時間が3時間。
お陰で寝れる時にパッと寝るという習性を培った。
だから今日も、誘われるままに夢の世界へと。



