家元の寵愛≪壱≫



ゆのはとても恥ずかしそうに、

1つ1つゆっくりと話してくれた。



圭介さんの妹にお洒落の仕方を教わり、

紫泉堂さんに調香を依頼した事を。


彼女の表情からしても嘘ではない事は明白。


じゃあ、あの『黒い下着』は?


俺はバラバラのパズルを嵌めあわせるように


「ちょっとゴメンな?」

「キャッ!!////////」


俺は素早い手つきで彼女の襟元に指を掛けた。

そんな俺の行動に恥ずかしがるゆの。


隅々まで知り尽くしているというのに。


俺はそんな彼女の襟元からそっと中を覗き込んで。



―――――――水色。


今日着けているのは水色だ。

けど、確かにあの日は黒い下着を。



「………ゆの」

「………はい」

「最近、下着の趣味を変えたか?」

「えっ?…………あっ!!////////」



俺の問いかけに一瞬で硬直した。

しかも、顔を紅潮させながら……。