あくる日。
ため息が零れ出すほど、変わらぬ日常。
朝の僅かな時間での充電では
1日も持たねぇっつーの!!
思わず、愛車のハンドルに八つ当たり。
俺は午後の茶道教室の会場へ車を走らせていた。
―――――19時過ぎ。
1日の仕事を終え、帰宅。
母屋へ顔を出すと、
母親が居間で送り状を書いていた。
「ただいま」
「あら、お帰りなさい」
「親父は?」
「商工会の会議で遅くなるそうだから、今日はもう休んでいいそうよ」
「ん~」
親父の帰りが遅い為、お茶点ては無しって事ね。
……了解。
俺も今日は打ち合わせを兼ねた会食だった為、
夕食は既に済ませてあるので、
着替えをする為、離れへ向かう事に。
居間の扉を閉めようとしたその時、
僅かに爽やかな甘い香りが香って来た。
「何?………この匂い」



