家元の寵愛≪壱≫



「はい……はい……はい………はい」


ゆのは何度も頷きながら返事を。


「……はい、分かりました。有難うございます。隼斗さんに替わりますね?……隼斗さん」

「ん」



俺は不機嫌オーラ全開で携帯を受取った。


すると、


『そう言う事だから、隼斗』

「………」


勝ち誇ったような母親の口調にカチンとくる。


『夕食までには戻るから、それまで我慢しなさいなぁ~♪』

「チッ」


我慢しろって、

俺は1週間も我慢したっつーの!!


携帯をギュッと握りしめ、電話を切ろうとすると


『昼食までは、め~いっぱいラブラブして良いわよ~♪母さん、邪魔しないであげるから★』



含みのある言い方をして、母親は電話を切った。

何だか、物凄くムカつく。

語尾に黒い星が出てるっつーの!!



「あっ、あの……隼斗さん?」


俺の視界に現れ、曇り顔で見据えている。



―――――――昼食まで……か。

それなら……――――……。



「ゆの」

「キャッ////」


今は時間を惜しんで、

目の前のご馳走を味わう事にしよう。