ゆのを起こさないように
そーっと、襟元を広げた。
―――――無い。
はあぁぁ~~ぁ~。
やはり、俺の気にし過ぎか。
圭介さんは昔から“痕”を付けるので有名。
ふと、それを思い出して
俺は確認せざるを得なかった。
もしや、ゆのにも……。
けれど、俺のとりこし苦労だったようだ。
胸元の涼しさを感じてか、
ゆのが寝返ろうと肩を捻った。
その瞬間―――――
ん?
んん??
俺の脳内に再び、『?』が飛び交い始めた。
おいおいおいおいッ。
一体、ゆのの身に何が起きたんだよッ!!
俺は再び、ゆっくりと襟元を広げると
ゆのの白い肌に不釣り合いの真っ黒な下着。
それも俺の視線を釘付けにするほどの。
ゆのはこんな下着を持ってたか?
って、持ってる持ってないなんて事はどうでもいい。
母親が勝手に押し付けた事もあるだろうし。
それにしたって、腑に落ちないのが
ゆのが自らこんな大胆な下着を身に着けるだろうか?
俺が頼んだって、断固拒否するのに……。



