「ゆの」
「はい」
「何だ?……この匂い」
「えっ?」
彼女の身体から甘い香りが漂って来る。
普段の彼女からは想像も出来ないような
エキゾチックな魅惑な香りが。
「………匂いますか?」
「………」
おかしいな?とでもいう風に
ゆのは自分の身体をクンクンと嗅いで。
「ごめんなさい。すぐにシャワーを浴びて来ますね?」
「ッ?!」
ゆのはニコッと愛らしい笑顔を向け、
小走りに浴室へと向かって行った。
『シャワー』
耳に残るその響きに
漸く治まりかけていた感情が、再び暴れ出す。
考えたくもない現実と弾け出す感情が
俺の身体を拘束する。
ゆのは一体、何を……。
俺は暫くその場に放心状態でいた。
その後、いつもと変わらぬ様子のゆの。
挙動不審な行動も見受けられず、
俺1人、モヤモヤとしている。
せっかくの週末だというのに。
鏡台前で就寝前の肌の手入れをしているゆの。
そんな彼女をチラ見しながら、
俺はいつも通り、腹筋を。
すると、



