家元の寵愛≪壱≫



晴れ渡った青い空、雲1つない。

澄んだ空気が胸の奥を満たしてゆく。


ゲレンデにはすでに沢山の人の姿が。


「ゆの、危ないから端に行こう」

「はい」


俺は2人分のボードを手にして

フェンス脇へと移動する。


このスキー場は初心者・中級者向けで

広々とした見晴らしの良いゲレンデは

スノボー初心者のゆの仕様。


しかも、積雪量は250㎝以上で

良雪のパウダースノー。

これなら安心して楽しめそうだ。


ゆのの片足にボードを着けて


「ゆの、家で練習したみたいにスケーティングしてみて?」

「はい」


自宅で事前に練習をして来た。

脚に掛かる負担と滑る感覚を得る為に。



俺はボードをフェンス脇に置いて、

ゆののそばで見守ると、

飲み込みの早い彼女

スケーティングはバッチリのようだ。