家元の寵愛≪壱≫



「もう8時になっちゃいますよ~」

「……はっ?!」


俺は慌てて起き上がって、


「8時?」

「はい……今、7時40分です」

「げっ」


ゆのの抱き心地が良すぎて、つい寝過ごしたようだ。


「ごめん、すぐ用意する」


ちょっとご機嫌斜めのゆのを横目に

手早く身支度をして……。


その後、本館で朝食を。

食べ終わる頃には俺らとオーナー夫妻のみ。


すると―――――、


「昨日はとても素敵な誕生日プレゼント、有難うございました」

「あっ、いえ此方こそ。久しぶりにジェリーショットを作ったので、私の方こそ楽しませて頂きました」


優しい笑顔を浮かべたオーナー。


「特別に我が儘聞いて頂き、本当に有難うございました」


俺もまたお礼を述べると、

片づけをしていたオーナーの奥さんが


「今日の夜にバースデーケーキをお出ししようと思うのですが、何かリクエストはありますか?」

「えっ?」


にこやかな表情で俺らの前に。