家元の寵愛≪壱≫



「これって、かんざし入れ?」

「ん、気に入ったか?」

「はい!!私の好きな睡蓮です」

「フッ……だな」

「隼斗さん、ありがとうございます!!」


愛らしい笑顔で抱きついて来た。

フッ、俺は愛妻にマジでベタ惚れらしい。

ゆのの笑顔1つでこうも幸せになれるんだから。


すると、

スッとかんざしを引き抜き、

彼女の髪がはらりと……。


「ん?」

「大事に使わせて頂きます」


ニコッと笑みを浮かべたゆのは

かんざしをかんざし入れに入れて

胸元で大事そうに抱きしめた。


「隼斗さん、この玉かんざし何ていう玉ですか?」

「ん?……玉か?」

「はい」

「虹艶玉」

「虹艶玉かぁ~。桜色で可愛いです」



お互いにプレゼント交換した俺らは

日頃、話せなかった話を沢山した。


気付けば1時間以上話していたようで

もうすぐ12時を回ろうとしている。


腕時計の針が12時を回った

その瞬間―――――、