家元の寵愛≪壱≫



「ん?……手ぬぐい?」

「はい、お気に召しませんか?」

「あ、いや……色が……」

「やっぱり、変ですか?」

「いや、そうじゃなくて、色がすげぇ綺麗」

「はぁぁ~良かったぁ~~」


胸を撫で下ろすゆの。

安堵している様子で……。


「これも手作りだろ」

「……はい」

「これも藍か?」

「はい、こっちのがろうけつ染めで染色は藍を使いました」

「で、こっちの色鮮やかなのは?」


紙包みの中には2枚の手ぬぐいが入っていた。

ろうけつ染めは夜空をイメージしてあり、

もう1つの手ぬぐいは……。


「これはダイロンというのを使ってます」

「へぇ~凄いなコレ。微妙な色合いが出てて」


手にした2枚目の手ぬぐいは、

夕暮れ時をイメージしているようだ。


茜色から濃紺へ変わる様が

艶やかに表現されており、

2枚とも端に刺繍が施されている。