家元の寵愛≪壱≫



「はい」

「すみません、藤堂ですが…」

「はい、すぐにお持ち致しますね」

「宜しくお願いします」


電話を切ると、数分でオーナーがやって来た。


「すみません、夜遅くに…」

「いえ、お気になさらず。今日は特別な日ではありませんか」


優しく微笑むオーナーから品物を受け取り


「素敵な夜を…」

「有難うございます。お休みなさい」

「お休みなさい」


オーナーは本館へと戻って行った。


俺はすぐさま、戴いた品物を冷蔵庫に入れ、

散りばめたキャンドルに火を点す。

室内が淡い灯りに包まれたのを確認して

部屋の照明を薄暗くした。



そして最後に――――、

ゆのが大好きな睡蓮の香りを漂わせて。


よし!! 準備完了。


俺は荷物の中から

ゆのへのプレゼントを取り出し

ソファの横にそっと隠した。



その時―――――