家元の寵愛≪壱≫



「何だか、英語で話す隼斗さんって意地悪じゃなくて、可愛らしいですね」

「はぁ?」


俺は愛を囁けとは言ったが、

俺が囁くとは言ってない。

ゆのが素直に言ってくれたから嬉しくて

俺も素直に言ってやろうと思ったのに。


少し調子に乗ってるゆのを苛めたくなって来た。


そんな俺は………。


「You turn me on!」

【訳】ゆのが俺をその気にさせたんだろ!


俺は口角を上げて、ニヤリと。

ゆのは一瞬にしてハッとした様子。

目を見開き、俺を凝視。


そんなゆのの耳元で、


「You just wait!」

【訳】覚悟しろ?!


「なっ?!」


急に慌てふためくゆの。

俺は何もなかったかのように立ち上がり

自分の服に付いた雪を払い落とす。


ゆのもまた立ち上がって、雪を払いながら