家元の寵愛≪壱≫



―――――――ボスッ!!


俺は勢いよく振り返り、

新雪の上にゆのを押し倒した。

覆い被さるようにゆのを見下ろし、


「俺への愛を囁いたら許してやる」

「なっ?!!////」


顔を赤く染め、硬直するゆの。


「ん?俺の事、愛してないのか?」

「ッ?!////////」


じっとゆのの瞳を捕らえ、

『身も心も放すまい』と目で訴える俺。

そんな俺に……。


「だ、抱き締めてくれたら////」


ゆのは恥ずかしいからなのか、

両手を広げて俺を求めている。


「どうしよっかなぁ?ゆのは俺が抱きしめないと“愛してる”って言えないんだ?」


挑発するように見下ろすと、


「もう!!最近、隼斗さん……凄く意地悪です」

「そうか?」

「はい……私、拗ねますよ?」


プクッと頬を膨らませ、大きな瞳で上目遣い。

フッ、マジで可愛いヤツ。

俺は仕方なく、

雪に埋もれた彼女を掬い上げるように

腰と肩を優しく抱き寄せた。


すると―――――、