「“はい”って、何で素直に言えねぇんだよ」
「だ、だって、プロポーズなら卒業式の日にして貰いましたし…」
「言ったらマズいのかよ?」
「えっ、いえ……でも…」
「ん?」
「私に疾しい事でも?もしかして……浮気?」
「プッ……んなワケねぇだろ」
「だってぇ~~」
「はぁぁ~~もう、ホントにムードのない奴だなぁ」
「ッ?!!」
驚くゆのを余所に、俺は意地悪く
抱き寄せる腕をはらりと解いて。
「せっかくのクリスマス・イヴが台無し」
少しワザとらしく膨れて見せて
ゆのに冷たく背を向け、歩き出す。
「えっ、は、隼斗さ~ん!!ごめんなさい!!」
慌てて俺に駆け寄り、
俺の上着の裾を遠慮がちに引っ張って。
フッ、俺が拗ねてると思ってる。
俺的には別に気にしてないが……。
さらに軽く無視して、
数メートル歩いた所で。
「キャッ!!」



