隼斗さんは相槌をして耳を傾けてくれている。
「私、隼斗さんの力になりたいです。家元の妻として、きちんと『自分』という器を作りたい…」
「ん」
「外国語学部では足りない気がするんです」
「そうか?」
「はい。もっともっと、日本の文化や茶道の事も。学ぶべき事は沢山あるのに…」
「ん」
「勉強出来る環境があるのに、目を瞑ってはいられなくて…」
「フッ、ゆのらしいな」
「そうですか?」
「あぁ」
柔らかい笑みを零した彼。
そんな彼に…
「だから私、人文学部の日本伝統文化学科へ転部しようかと思うんです」
「………」
私の瞳をじっと見つめる隼斗さん。
無言なのは、やっぱり反対なのかな?
そんな簡単に意思をコロコロ替えるのは
やっぱり良くない事だもんね。
彼の瞳をじっと見据えていると、



