「そうか。なら、今まで通りでいいんじゃねぇの?」
「……本当に?」
「あぁ、俺は構わないけど?」
柔和の表情を見せる隼斗さん。
「実はもう1つ、大事なお話があります」
私はゴクリと生唾を飲み込んだ。
「ん?……何?」
隼斗さんは私の手を握り
「実は私、転部試験を受けようと思っています」
「転部試験?」
「はい。2年次に進級するにあたり、学部を変えようかと」
「えっ…ってか、何で急に?」
「急じゃありません。もう半年以上、考えていた事です」
「………」
隼斗さんは驚いて唖然としている。
「ごめんなさい。勝手に決めて」
「あっ、いや…それはいいんだけど…」
ギュッと握りしめられる手をギュッと握り返して
「理由、聞いてもいい?」
「はい。入試の際は何も考えず、将来、役に立つだろうと安直に考えて決めました」
「ん」
「でも、隼斗さんと結婚して、自分のこれからの人生を少しずつ考え始めたんです」
「ん」



