家元の寵愛≪壱≫



「ッん!!////もう!!////」

「フフッ……悪い悪い」


隼斗さんは悪戯っぽく笑いながら

私の前に胡坐を掻いた。


「で?話って何?」


まるで別人のように真面目な顔に。

私は彼の前に座り直して、


「実は大学の事で…」

「………」


隼斗さんは少し険しい表情に。


「私の学費免除、今年限りになりました」

「………」

「入試当時は家庭状況が厳しい事もあり、特別に免除して頂きましたが、今は状況が違いますので…」

「大学から言われたのか?」

「……はい」

「だよな?うちの財力で無料はおかしいしな」

「………」

「気にしなくていいよ。大した額じゃないし」

「でも…」

「俺ら、夫婦だろ?助け合うのは当然だよ」

「…本当にいいんですか?」

「ゆのはどうしたい?」

「実は辞めようかとも思ったんですが、最近は勉強が凄く面白くなって来ましたし…出来れば、続けたいです」


顔色を窺うように視線を向けると、