家元の寵愛≪壱≫



「隼斗さん、もう下ろして下さい」

「ん」

「キャッ!?////」


俺は抱きかかえるみたいな状態に

愛おしい妻をふわりと下ろした。


「ちょっ…ちょっと、隼斗さん。皆さんが見てます////」

「ん、見せつけてんの」

「もう////////」


俺の肩に顔を埋めるゆの。

多分、顔は真っ赤だろうな。

こんな事で恥ずかしがるゆのが

愛おしくて堪らない。


1年前の俺なら、女の顔色を窺う事も

ご機嫌を取る事さえ無かったのに。


今じゃ、毎日…

この愛姫を喜ばせたくて

なりふり構わず行動してる俺がいる。


マジで『愛』ってすげぇな…。



「隼斗…さん?……そろそろ下ろして…貰えますか?」

「ん………んッ?!」

「キャッ!!!////なっ、何してるんです?!////」


ビクッとしたゆのは暴れ始めた。


……だって……だって…なぁ?