家元の寵愛≪壱≫



ゆのは俺の言葉で一瞬に顔を赤くし、

抱きしめる俺の腕の中で

抵抗していたのをスッと止めた。



そして……

今はすっかり大人しく、

俺の胸に寄り添って……。



「ごめん、黙ってて…」

「……もう、他にはないですよね?」

「あぁ、今のところは」

「えっ?!ッん////////」



驚いて顔を上げたゆのの唇を奪って…。


胸に添えられた左手に手をそっと重ねる。

華奢なゆのの指には不釣り合いのゴツイ指輪。


俺はその指輪にそっと指先を這わせた。



そして、

啄み終えた唇を首に滑らせ、

軽く朦朧としているゆのの首筋に



―――――――チュ~ッ



「あっ!!!??」


少し強めに吸いついたキスに

鋭い痛みを感じて、

我に返ったゆのは俺をキッと睨んだ。


そんな表情も可愛すぎる。