「ですが……」
俺は教室内を見回して…
「恋人はいませんが、愛妻はいます」
「「えぇぇぇ~~~ッ!!!」」
「今年の春に結婚したばかりです」
教室に悲鳴にも似た声が響き渡る中、
俺は……―――――……
「ですよね?」
ゆのに向け、極上の笑みを…。
すると、
一斉に生徒がゆのの方へ視線を向けて、
「藤堂ゆのさんは私の妻です。どうぞ、皆さん仲良くして下さいね。…では、授業を始めます」
騒然とする中、俺はホワイトボードに
茶の湯に関しての要点と茶道の歴史に関して記し、
クールな表情で淡々と授業を始めた。
「では、今日の授業はここまでとします」
俺は軽く会釈して、部屋を後にした。



