ハトが豆鉄砲を食らったような表情で…。
「では、何か質問はありますか?」
「はーい、はぁ~い!!」
「はい、そこの水色のTシャツを着た子。学部と名前を言ってから質問を…」
「はい、英文科2年、月島沙絵です。先生は現在、恋人がいますか~?」
フフッ、俺の狙い通りの質問を
1発目からブチ込んでくれるとは…。
マジで……有難い。
俺は嬉しさのあまり、自然と笑みが零れると
「「キャァ~~!!カッコイイ~!!」」
教室内の女子が黄色い声を上げた。
「ん~最初から難しい質問ですね…」
「えぇ~~っ!!先生、お願いしまぁ~す」
女子の熱視線を浴びる中、
「現在、恋人はいません」
「「「「キャァァァ~~!!先生、それホント~?!」」」
「はい、本当です。恋人はいません」
一斉に騒ぎ出す女子学生。
教室の右端に1人だけ
黒いオーラを放っている生徒が…。
ゆのに目を向けると、
目を大きく見開き、俺を見ている。



