父親が私の車を運転し、
さゆりさんは自分の車を運転して来たらしい。
「ご無沙汰しております」
「いえ、こちらこそご無沙汰して…。娘がご迷惑をお掛けしてないでしょうか?」
「迷惑だなんてとんでもない。毎日、学業の他に家の仕事も家業の仕事もきちんとこなしてくれて、申し訳なく思っておりますのに…」
「お義母様…」
「天気も良いし、乗り初めして来たらどうだ?ゆのちゃん」
お義父様が優しく微笑みながら声を掛けてくれた。
「えっ?良いんですか?!」
「いいも何もゆのの車だろ?」
「あっ……はい」
「プッハハッ…「フフフッ」「ハハハハッ…」
何だか、皆一様に笑い出した。
もう……失礼しちゃう。
「ほら、脹れてないで運転席に乗ってみろ」
「はい」
門前に停められた
初心者マーク付きの私の白い愛車。
白と言ってもパールホワイトだから
少し優しい感じの色合い。
私は緊張しながらドアを開けた。



