家元の寵愛≪壱≫



翌週土曜日―――――



「ゆの、お義父さん何時に来るって?」

「さっきの電話だと11時前には…」

「じゃあ、母さんにお昼頼んでおくな?」

「あっ……すみません」

「ん」



隼斗さんは母屋へと。


今日は私の車が納車になる日。

来週から後期の授業が始まるから

それに間に合うようにして貰った。


これで、隼斗さんにもお弟子さん達にも

少しは迷惑掛けなくて済むよね?



私は部屋の片付けを済ませ、

隼斗さんを追うように母屋へ。



お義父様とお義母様と隼斗さんが

茶会のスケジュール調整をしていた。



秋の茶会は昼と夜の2部に分かれ

色づく秋の紅葉を愛でる昼の茶会

晩秋の月を愛でる夜の茶会


十数か所の茶席を隼斗さんとお義父様で

分担して点て回る事になっている。



1時間ほど打ち合わせをしていると、