家元の寵愛≪壱≫



滑り込んで来る舌に一瞬恥ずかしさを覚えるが

絡め取られているうちに…

心が満たされ、安心感へと変わりゆく。


私……いつからこんなにも

欲深い女になったんだろう。


彼とのキスで意識が蕩け始める中、

不意にもそんな考えが過った。


すると、ゆっくりと唇が離され

覆い被さるように体勢を変えた彼が、



「ゆの、キスが上手くなったな」

「ッ!!////////」



なななな、なっ、何て破廉恥な事を口にするの?!

妖艶な笑みを浮かべ、見下ろす彼。

恥かしすぎて身動きも取れない。



「そんな風に照れられると、もっと激しいキスをしたくなるだろ?」

「なっ!?////////」



口角を上げ、不敵に微笑む隼斗さん。

はははは、はっ、激しいキスって…。

じゃあ、今までのは大した事ないワケ?!

今でも十分激しいよ!!

呼吸だって満足に出来ないのに…。