帰ったら、琴音の世話をしつつ、龍蔵さんの土曜の用意。



琴音が風呂に入ってる間にメシを食おうとキッチンに立った時。



「青柳くんっ!?」

「し、失礼…」

「大丈夫…?」

「目眩がしただけなので…」



クラッとした…。



マジで疲れてんのか、俺…。



「お嬢様のお茶は淹れてあげるから…。食べなくてもいいけど、食べるなら座って!!」

「いえ、大丈夫ですよ」

「もしかして青柳くんって、甘えること知らないの?」



シェフにそう言われたけど、俺にはよくわからなくて。



ムリヤリ座らされ、とにかく胃に詰め込んだ。



もう食えん…。



でも、食わなきゃ体がもたない…。



「食器は洗うから、お茶、持っていきな」

「すみません…」

「今日は早めに寝るんだよ?」



シェフ、優しい人だ…。



俺はあんたが大好きだよ…。



琴音の部屋にお茶を運ぶと、髪を拭きながら顔を逸らされた。



長い。



非常に長いグレ期間。