それから、車で向かったジョーくんの家。



うちは思いっきり洋館だけど、ジョーくんの家は和風な造りだった。



「意外だ…」

「桜小路家は江戸時代より呉服屋でしたからね」

「へぇ~」

「お嬢様、お暑くはございませんか?」

「大丈夫~。早くインターホン押そうよ」

「そうですね」



ヒョウが来てから2ヶ月、季節が変わり始めている。



初夏の風は、温いというより、もう暑い。



「待ってたよ~!!って、ヒョウっ…」

「お招きいただきありがとうございます」

「キャラ変わりすぎ…」

「本日は執事として、お嬢様のお供ですので」

「マジで別人だねぇ~」



別人だよね…。



パッと見じゃ、絶対ヒョウだって気づかれないよ。



「大したものではございませんが、お近づきのしるしに。甘いモノがお好きと伺っておりましたので、お嬢様からでございます」

「バームクーヘン!!僕大好きぃ~!!」



執事として連れてきたら、ジョーくんにも執事として接するんだね…。