なんか、こういうの新鮮。



「朝早かったから眠いよぉ~…」

「なにもなかったか?」

「うん。頑張ったよ」

「そうか。電話ってのも、いいもんだな」

「ヒョウの声がいつもと違うね」



横になり、琴音の声を聞く。



いつも触れる距離にいたから、なんだか不思議。



ってか、寂しい…。



「風呂は?」

「もう入ったよ」

「アゲハは別の部屋だろうな?」

「アゲハは部屋の外にいるって。大丈夫って言ったのに、護衛だからダメだってさ」

「当たり前。それがアイツの仕事だから」

「でも疲れるじゃん…」

「お前が気にするとこじゃねぇよ。睡眠なんか、適当に取ってるはずだ」

「そうなの?」



アゲハは有能だ。



アイツがもし居眠りしても、何か変化があればすぐ対処する。



きっとガキの頃からの癖なんだろうけど、アゲハの眠りは異常なくらい浅いから。



俺なんかより、護衛向き。



だから俺も安心して琴音をアゲハに託せるわけだ。