フッと鼻で笑ったヒョウは、グイッとあたしの手を引っ張って歩き出した。



手、繋いでるみたいだよ…。



やっぱりヒョウは、抵抗なくこういうことができるんだろうか…。



あたしはドキドキしすぎて苦しいんだけど…。



何も言わずに歩き、入ったのはカレー屋。



「なぜ!?」

「食いたかったから」

「そう…」

「俺、シーフード。お前はドッグフードな」

「ヤダよっ!!」

「は?あるわけねぇだろ、バカか」



い、意地悪だ…。



あたしがこういうとこ入ったことないって、たぶん知ってるくせに…。



結局、あたしは選ぶのに時間がかかりすぎて。



シンプルなビーフカレーをヒョウが勝手に選んだ。



「こんなに食べられ…」

「あ?」

「ます」

「よろしい」



一人前って、多い…。



あまり食べることが好きじゃないあたしが、最近は出されたモノを全部食べている。



理由はひとつ、ヒョウが怖いからです。