【琴音】



モデルのお仕事を始めたら、なんだか急に忙しくなった。



オシャレ大好き、カワイイ服大好き。



だから今のあたしは、人生が楽しい。



「やっぱりカワイイね、琴音。自慢の妹だよ~」



そう言ってくれるのは、あたしが載った雑誌を見てる雪乃さん。



毎回お仕事に着いてきてくれて、あたしを応援してくれてる。



小さいからモデルなんてムリだと思ってたけど、やってみたらできるもんだ。



「お嬢様、雪乃さん、夕食の準備が整いましたので」

「「は~い」」



ヒョウは相変わらず執事と秘書。



だけど前より仕事は減り、執事の仕事はあたしに関わることだけ。



ソレ以外はメイドさんか、タマキさんがやってくれてる。



「雑誌を見てらっしゃったんですか」

「2号くんは買ったの?」

「えぇ、50冊ほど」

「それ、ファンでもそんなに買わないよ…」

「しかし、実名で有栖川の名を使うのには反対ですけどね」

「あたしはいいと思うよ?メディアに守ってもらう作戦」



そうなの。



お嬢様だということが、周りにバレたんです。