【琴音】



久しぶりにこんなに体調を崩した。



具合が悪いのをわかっててムリしたあたしが悪いんだけど。



ヒョウに看病されたのはどれくらいぶりだろう…。



「体熱い…。水風呂入りたい…」

「悪化するので却下です」

「意地悪~…」

「少し眠りますか」

「眠くないもん…」

「お嬢様が眠れるように、アイスティーを用意しました」



喉が乾いていたので、ゴクゴク飲んだアイスティー。



しばらくすると、急な眠気に襲われて目を閉じた。



寝るのがいちばんいいって、わかってるんだけど…。



ヒョウがあんなに嬉しいことを言ってくれたから。



興奮して眠れなかったのになぁ~…。



気がついたのは誰かの会話だった。



「俺にもくれよ、その眠れるヤツ」

「ダメです。これはお嬢様のために特別に用意しているものですから」

「犯罪じゃねぇかよ」

「人聞きの悪いことを言わないでいただけますか?わたくしが愛情込めて作ったお茶を」

「いや、犯罪だろ…」



ん~?