アゲハも今まで、壮絶な人生を送ってきたみたいだし…。



ゆっくりさせてあげたいかも。



「あっ、兄ちゃんの勝ちだ」

「わぁ~い!!優勝だぁ~」



アゲハと見届けたヒョウの試合は、うちのクラスが優勝。



これじゃあ他のコ、青柳兄弟には頭が上がらないだろうな…。



「お疲れ、ヒョウ」

「楽しかった」



満足そうなヒョウと、一緒に帰宅。



少しゆっくりしてからお兄ちゃんの部屋へ。



「入っていい?」

「ん~、どうした?部屋に来るなんて珍しい」

「アゲハのことなんだけど」

「アゲハ?」



お兄ちゃんはアゲハを可愛がってる。



ヒョウは甘えたりするタイプじゃないのに対し、アゲハはお兄ちゃんに懐いてる。



弟がいないお兄ちゃんからすれば、アゲハは弟みたいなんだって。



「アゲハに、普通の学生気分味わわせてあげたいなぁって思って…」

「ふぅん、琴音らしくないね。アゲハのこと、好きじゃないって言ってなかった?」

「それは誘拐事件があったからで…」



今はアゲハが素直でいいコだってわかったし…。