部屋に入るとヒョウの姿はなかった。



まだ仕事が終わらないのか、静まりかえった相変わらず生活感のない部屋。



座る場所もないので、仕方なくベッドに座ってヒョウを待った。



本当になにもない…。



だけど、ヒョウの匂いがする…。



しばらくボーッとしてたら、ドアが開いてヒョウがやってきた。



「早いですね、お嬢様…」

「宿題ないから早くお風呂に入って来ちゃった」

「左様でございますか。って、もういいか。今日も疲れたなぁ~…」



ネクタイを緩め、靴を脱ぎ。



パソコンに電源を入れる姿は同い年とは思えない。



「風呂入ってくるから、好きなことしとけ」

「ヒョウのお部屋、何もないんだもん…」

「じゃ、ボーッとしとけ」



ヒョウがクローゼットから着替えを出し、部屋のお風呂に向かった。



あたしは本当にボーッとするしかなくて。



ヒョウのベッドに横になり、早くお風呂から出て来ないかと期待してるだけ。



眠くなってきちゃう…。