「…お前酷えツラだけどどうした?」
『うるさい。人の事呼び出しといて何よそれ』
私が無謀な恋心に気づいてから数週間後、雅弘から呼び出され前と同じ居酒屋で対峙していた。
開口一番、さっきの一言。
『呼び出しといて何、馬鹿にして。帰ろっかな』
「だってクマひどい。そのあっつい化粧で隠れてねぇぞ?マジで大丈夫か?仕事?」
『そんなとこ。…まぁ大丈夫、時間が解決してくれるやつだから私のは。気にしないで』
そう。
こんなの、今だけ。
久しぶりに女の子扱いされて、その気になってしまった愚かな自分。
会わなければ消える、
頭も冷える。
『ってかどうしたの?なんかあった?』
「え、俺?や、会いたくなっただけだけど」
『はぁ?』
「明日休みだし。飲みてーけど、会社の人間だと仕事の話になるし。やっぱ前思ったんだ。昔から知ってる奴ってすげー楽』
私も同じかもしれないな。
そう思った。
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