「あいつは……ちょっと変わってるから

ダチの俺から見ても…危なっかしい」

言いにくそうに顔を逸らした杉山は隣の棟を指した。

「…まだ残ってると思う」

「………」

「行ってこいよ」

トン…と背中を押される感覚がして
あたしはそのまま走り出した


「ほんとに…ありがと」

少し涙が零れそうになったけど
振り返らずに暗くなった廊下を走った