「ごめん。…でも、あんまり顔赤くさせると、期待しちゃうよ?」

女の子達が。

「えっ!?…や、その……えと…うぅ~…」

ボッと言う音が聞こえるような勢いで橘の顔は更に赤くなった。
あたしにはそれが理解できなくて首を傾げて橘を見上げる。

「………?」

「……ちょっ…ちょっとこっちっ!!」

「わわっ!?」


無理矢理引っ張られ入り込んだのは旧美術準備室。
埃の積もった部屋ならではの匂いが部屋中に立ちこめていて、あたしは思わず顔をしかめた。