「じゃあな」 引き戸がガラガラと軋んだ音を立てて橘の姿を隠した。 「ちょっと……」 伸ばした手も一寸先で閉まってしまえば行き場がない 仕方なく読み終わった本を本棚に片付けに行った 「あっ……授業もう終わるのか」 なんか…ドキドキしすぎて50分が短く感じたな そっと回された腕や手を掴んだときの感覚を思い出して頬が紅潮した。 それに耳元で囁かれたあの言葉 「駄目だ。あたし末期かも」