終業のチャイムが鳴り響く


「今でも好きだよ」

チャイムにあたしの声はかき消されていく

いいの
これでいい

「七海、聞こえなかった」

圭が訝しげに眉を寄せて大きな声であたしに聞く
チャイムはまだなっているからかな

「何でもないよ。帰ろ」

あたしは1人でも平気だから

そういう意味も込めてあたしから圭の手を離した


大丈夫
あたしは泣いてない