――……【YUWA 1005】 「柚羽……」 「ユワ……。女の子?」 おばさんは首を傾げながら僕に聞く。 「……永輝くんが……、いちばん大切にしていた人です」 鼻の奥がツンとしてきて、視界が歪んできた。 目に溜まった涙が、自然とこぼれおちる。 隣りにいたおばさんは、そんな僕の様子に気付いたのか…… 「お茶でも淹れてくるわ。あとで来てね」 そう言い残して、静かに部屋のドアを閉めた。