君に告げよう


――どこに、あるんだ?

クローゼットの中、机の引き出し、ありそうな場所を次々と物色していく。


ごめん、永輝くん。

勝手にこんなことして……。


そう、心のなかで何度も謝りながら。



「……遼太郎くん」



指輪が見つからず、諦めにも似た溜息がこぼれる。

部屋のドアが少しだけ開いて、おばさんが心配そうな顔で僕に声をかけた。



「何か探しているの?」

「……はい」

「探すの、手伝おうか?」

「……いえ、大丈夫です」