「……遼太郎くんっ!?」
「……ご無沙汰しています、おばさん」
久しぶりに訪れた結崎家。
おばさんは突然やってきた僕に、ひどく驚いていた。
「ちょっと、永輝くんの部屋に用があって……」
「……永輝の部屋?」
「あがっていいですか?」
「えぇ、もちろんよ。部屋はまだ……そのままにしているから」
戸惑い気味のおばさんを玄関に残し、僕は永輝くんの部屋に向かう。
ドアを開けると……、懐かしい、永輝くんの匂いが僕を優しく包み込む。
部屋の中は何一つとして変わっていなくて、あの頃のままになっている。
永輝くんが死んでしまったあの日のまま……。


